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マーケティングのインハウス化、進め方の前に聞く相手がいる

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マーケティングのインハウス化、進め方の前に聞く相手がいる

インハウス化が決まりました。上から降りてきた話かもしれませんし、自分で提案した話かもしれません。決まった以上は進めることになります。それで「マーケティングのインハウス化(内製化)の進め方」を調べ始めたところ、4つのステップが出てきましたよね。

現状把握、体制づくり、ツール導入、運用開始。上位の記事も、ほぼこの順番です。

ただ、1つ目の「現状把握」には主語が抜けています。誰の目的を把握するのかが、書かれていません。

この記事では、インハウス化が決まったあと、最初に何を確かめるかを書きます。

この記事でわかること

  • 上位4本が同じ4ステップを並べる。最初は現状把握だが、目的の主語が無い
  • 最初にやるのは、インハウス化を言い出した人に理由を確かめること
  • 引き換えに失うもの3つを、指示した人と共有してから体制づくりに入る
目次
  1. マーケティングのインハウス化の進め方は、どの記事もほぼ同じ4ステップ
  2. 最初にやるのは、インハウス化を言い出した人に理由を聞くこと
  3. インハウス化で引き換えに失うものを、先に突き合わせる
  4. 人を採る前に、何をインハウスにするかを決める
  5. ツールと体制の整備は、インハウス化の目的が決まってから
  6. 何ができたら「インハウス化できた」と言えるのか
  7. この記事で扱わないインハウス化の話
  8. まとめ:今日、1つだけ確かめてみてください

マーケティングのインハウス化の進め方は、どの記事もほぼ同じ4ステップ

順番も粒度も、ほとんど同じです。ただ、その前に言葉の範囲を決めておく必要があります。

インハウスマーケティングは、全部を社内に持つことではない

インハウスマーケティングは、マーケティングの業務を社内で行うことを指します。外部の代理店や制作会社に委託していた業務を、自社の人員で回す形です。

ただ、実務では「全部を社内に持つ」ケースは多くありません。広告の運用は社内、クリエイティブの制作は外部、というように一部だけを社内に持つ形が現実的です。この記事でも、その前提で書きます。

インハウスマーケティングという言葉が指す範囲は、会社によってばらつきます。だから最初に、自社では何を社内に持つのかをはっきりさせておく必要があります。ここが曖昧なまま進むと、後で「そこまでやる話だったのか」という食い違いが出ます。

上位5本を読み比べたところ、進め方を扱っている記事は次の流れで書いていました。

順番ステップよく書かれている内容
1現状把握・目的の明確化いまの業務を洗い出す。何のために内製化するかを決める
2体制づくり人材を確保する。役割分担を決める
3ツールの導入分析・運用・制作のツールをそろえる
4運用の開始と改善小さく始めて、回しながら直す

順番も粒度も、ほとんど同じです。この順序自体は妥当です。問題は、1つ目の主語です。

メリットとデメリットの表は、どの記事にもあります。ただ、この4ステップを順番どおりに進めても、うまくいかないことがあります。最初の主語がずれていると、その先が全部ずれます。

最初にやるのは、インハウス化を言い出した人に理由を聞くこと

ステップ1は「現状把握・目的の明確化」でした。

ここで多くの実行者が、自分で目的を考え始めます。コスト削減なのか、スピードなのか、ノウハウの蓄積なのか。整理して、資料にまとめます。

その目的は、あなたが決めるものではありません。

インハウス化を言い出したのは誰でしょうか。社長かもしれませんし、事業部長かもしれません。その人が、目的を持っています。

聞かずに進めると、後で食い違う

目的を確かめないまま進めると、次のようなことが起きます。

言い出した人は「外注費を減らしたい」と思っていました。実行する人は「ノウハウを社内に残したい」と考えて動きました。半年後、外注費は減っていないが担当者は育っている、という状態になります。

実行者としては成果が出ているのに、評価されない。 目的が食い違っていたからです。

しかもこの食い違いは、始まってしばらくは表面に出ません。 どちらも「インハウス化を進めている」ので、会話は成立します。ずれが見えるのは、半年後や1年後の評価の場面です。そこまで進んでから直すと、途中まで組んだ体制ごと動かすことになります。

逆のことも起きます。言い出した人が「自社で速く回せるようにしたい」と考えていたのに、実行者がコスト削減だと解釈して、安く済ませる方向で進めました。結果、人が足りず、前より遅くなった、という話です。

聞くのは3つで足りる

なぜやるのか、いつまでに何ができていればよいか、外注をやめる前提か。この3つです。

聞くことなぜ聞くか
なぜインハウス化するのか目的が違えば、やることが変わる
いつまでに、何ができていればよいか期限と完了条件がないと、途中で判断できない
外注をやめる前提か、減らす前提か全部を切るのか、一部を残すのかで設計が変わる

3つ目が特に大事です。「インハウス化」と言われたとき、完全に切る話なのか、一部を社内に持つ話なのかは、たいてい曖昧なまま始まります。

聞きにくいときは、質問の形を変える

上長や経営層に「なぜやるんですか」と聞くのは、やりにくいものです。指示に疑問を挟んでいるように受け取られかねません。

同じことを聞くのでも、次の形にすると通ります。

  • 🔴 「なぜインハウス化するんですか」 → 疑問に聞こえる
  • 🟢 「優先順位をつけたいので、いちばん解決したいことを教えてください」 → 進めるための質問に聞こえる
  • 🟢 「半年後にどうなっていれば成功と言えますか」 → 完了条件を引き出せる
  • 🟢 「外注費を減らすことと、社内に知見を残すこと、どちらが先ですか」 → 二択にすると答えやすい

実務でいちばん通ったのは、最後の二択の形でした。抽象的に目的を聞くより、二択にするほうが具体的な答えが返ってきます。

コスト削減とノウハウ蓄積では、やることが違う

目的が分かると、進め方が変わります。

目的優先すること後回しでよいこと
コスト削減手数料の実効率の確認。どの業務が手数料に含まれるかの棚卸し高度な分析体制。育成の設計
ノウハウ蓄積育成の設計。記録の残し方。外注先からの引き継ぎ短期のコスト。ツールの高機能化
スピード改善承認フローの見直し。判断の権限移譲★そもそも内製化が答えとは限らない

スピード改善だけは、注意してください。遅いのが問題なら、内製化しなくても解決することがあります。 承認の手順が長いだけなら、外注のままでも速くなります。

聞いた内容を、その場で書き留めて返す

聞いて終わりにしないでください。聞いた内容を1枚にまとめて、言い出した人に見せて確認を取ります。

口頭で聞いただけだと、解釈がずれたまま進んでしまいます。「コストを下げたい」と聞いて、実行者は「外注費をゼロにする」と受け取り、指示した人は「2割減らせれば十分」と考えていた、というようなずれです。

書き留めるのは、3行で十分です。

  • 目的(聞いたこと)
  • 期限(いつまでに)
  • 完了条件(何ができていれば成功か)

これを見せて「この理解で合っていますか」と確認します。合っていなければ、その場で直せます。3行の紙が、半年後の食い違いを防ぎます。

そしてこの3行が、そのままプロジェクトの前提になります。途中で判断に迷ったときに、ここへ戻れます。

POINT

  • ステップ1「目的の明確化」の主語は実行者ではない
  • 目的は言い出した人が持っている
  • なぜやるのか・いつまでに何ができればよいか・外注をやめる前提かの3つを確かめる
よくある4ステップの手前に、「言い出した人に聞く」という入口がもう1つあることを示した図

インハウス化で引き換えに失うものを、先に突き合わせる

聞きに行くときに、もう1つ確かめておいてください。

言い出した人が、引き換えに何を失うかを把握しているかどうか。

コスト削減も、知見を社内に残すことも、メリットとしては正しい話です。ただ、その裏側では失うものが出ます。そこを把握しないまま指示が出ていることが、実際にはよくあります。

代理店を外すと、手数料以外も無くなる

外注をやめると、手数料の支払いと一緒に、緊急時の対応先、市場と比べる物差し、現場の声も消えます。中身は内製化と外注の比較に書いた3つです。言い出した人が、そこまで見ているかは別です。

失う3つを、指示した人と共有する

実行者としてやるべきは、この3つを一覧にして、言い出した人に見せることです。

「やめましょう」と言うためではありません。知ったうえで判断してもらうためです。3つを知って「それでも全部内製化する」なら、判断として成立します。

見せずに進めて、後から問題が起きたときに「そんな話は聞いていない」となるのが、いちばん困ります。

全部を切らない形も選べる

3つを共有すると、たいてい「じゃあ一部だけ残そうか」という話に落ち着きます。

残し方何を残すか
監査だけ外部運用は自社。月1回のチェックと情報提供だけ契約
新しい媒体だけ外部主力の媒体は自社。実験的な施策は外部
緊急時だけ外部平常時は自社。トラブル時に相談できる枠を確保

いちばん軽いのは、監査だけを外部に残す形です。運用の権限は自社に持ちながら、市場の情報とチェック役だけを残せます。 手数料は大きく下がり、3つのうち2つは保てます。

POINT

  • 外注をやめると、手数料と一緒に3つが無くなる
  • 緊急時の対応先・市場と比べる物差し・現場の生の声
  • この3つを言い出した人と共有してから、体制づくりに入る

人を採る前に、何をインハウスにするかを決める

目的が確かめられたら、次は体制です。ここで多くの記事が「人材を確保する」と書きます。

その前に、何を社内に持つのかを決めます。

業務を「判断」と「実行」で分ける

マーケティングの業務は、大きく2種類に分けられます。

中身どちらに置くか
判断何をやるか決める。予算を配分する。優先順位をつける★自社(決裁権は移せない)
実行入稿する。運用する。制作する。分析の作業をする自社でも外部でも可

判断は、そもそも外に出せません。外注していても、最終的に決めているのは自社です。

つまりインハウス化で移すのは「実行」のほうになります。判断と実行を分けておかないと、「何を内製化するのか」が曖昧なまま採用要件を書くことになります。

移すのは、自社の商品知識が効くものから

全部を一度に移すと、事故が起きたときに戻せません。順番の目安を書いておきます。

順業務理由
1クリエイティブの企画自社の商品知識が最も効く。外部が最も苦労する領域
2主力媒体の日常運用手順が固まっている。担当者が育てば回る
3分析・レポート作成定型化しやすい。ツールで補える
4新しい媒体・実験的な施策★最後。失敗のパターンを知っている人が要る

★新しい媒体を、最初に内製化しないでください。 失敗の確率が高く、事例の数がものを言う領域です。その差を自社の試行錯誤で埋めようとすると、授業料が高くつきます。

移す業務は、1つずつ増やす

順番を決めたら、1つ移して落ち着いてから次にしてください。同時に2つ以上を移すと、成果が落ちたときに原因を切り分けられません。

目安として、1つの業務が落ち着くまでに2〜3か月。4つ全部を移すなら、1年近くかかる計算です。この期間を最初に伝えておくと、途中で「まだ終わらないのか」という話になりにくくなります。

急ぐ事情がある場合でも、判断だけは先に持ちます。実行の移行が遅れても、判断が社内にあれば方向は定まります。逆は成立しません。

採用要件は、移す業務が決まってから書く

移す業務が決まると、必要な人材像が具体的になってきます。

クリエイティブの企画から移すなら、必要なのは訴求を考えられる人です。運用から移すなら、媒体の管理画面を触れる人。分析から移すなら、数字を読める人。

全部できる人を探そうとすると、見つからないか、高すぎるか、どちらかになります。

採用と社内異動は、向いている場面が違う

人を確保する方法は、外から採るだけではありません。

向いている場面注意点
中途採用経験者がすぐ必要。社内に候補がいない費用と期間がかかる。定着するかは分からない
社内からの異動自社の商材と社内の事情を知っている人がいるマーケティングの経験を一から積む時間が要る
外部の伴走とセットどちらの方法でも、立ち上がりを速めたい費用が上乗せになる

意外に効くのが、社内からの異動です。マーケティングの手法は学べます。 一方で、自社の商材と社内の力学は、学ぶのに時間がかかります。営業や商品開発から異動した人が、外部の経験者より早く成果を出すこともあります。

とくにクリエイティブの企画を内製化する場合、商材を深く知っていることのほうが効きます。

一人体制にしない

規模の都合で一人になることは多いのですが、そのままにしないでください。

その人が休んだ日に何かあれば、そこで止まってしまいます。辞めれば、知見ごと消えます。手順を見れば代われる人を、兼務でよいので1人決めておいてください。代わりが立つかどうかは、記録の残し方(次の節)とセットで決まります。

POINT

  • 移せるのは「実行」だけで、判断は元から自社にある
  • 実行の中でも、自社の商品知識が効くものから移す
  • 新しい媒体は最後
  • 採用要件は移す業務が決まってから書く

ツールと体制の整備は、インハウス化の目的が決まってから

ツールの話は、どの記事にも出てきます。分析ツール、入稿ツール、クリエイティブ制作ツール。

ただ、ツールから入ると失敗しやすい。目的が決まっていないと、入れるものが決まりません。

マーケティングの目的によって、必要なツールが変わる

コスト削減が目的なら、まず要るのは高機能な分析ツールではありません。いまの手数料に何が含まれているかを棚卸しする表で足ります。表計算ソフトで作れます。

ノウハウ蓄積が目的なら、必要なのは記録の置き場です。誰が何を試して、どうなったか。これも高価なツールは要りません。

高機能なツールが要るのは、運用の量が増えてからです。 最初から入れると、使いこなす前に契約の更新日が来ます。

最初に決めるのは、記録の残し方

ツールより先に決めておきたいのが、記録をどう残すかです。

インハウス化の目的がノウハウ蓄積なら、記録の残し方が本体になります。担当者の頭の中に溜まっただけでは、その人が辞めれば消えます。

残すのは3つで足りるはずです。

  • 何を変えたか(設定・訴求・予算)
  • なぜそう判断したか
  • 結果どうだったか

月に1回、1枚にまとめる。これだけで、翌年に見返せる資産になります。

★書く場所は、担当者の個人フォルダにしないでください。 共有の場所に置きます。個人の手元にあると、その人が辞めたときに一緒に消えます。

最初に要るツールは、3つだけ

目的が何であれ、最低限のものは必要です。それが次の3つです。

種類何のために補足
アクセス解析広告から来た人がサイトで何をしたかを見る無料のもので始められる
媒体の管理画面入稿・運用・数字の確認広告を出すなら必ず使う
記録の置き場何を変えたか・なぜ・結果を残す表計算ソフトでよい

この3つ以外は、必要になってから足すほうが安全です。多機能なツールを最初に入れると、使わない機能の費用を払い続けてしまいます。

ツールの検討で時間を使いすぎるのも、よくある詰まり方です。比較記事を読み込んで、無料トライアルをいくつも試して、決まらないまま2か月が過ぎます。その間、インハウス化そのものは1歩も進んでいません。

迷ったら、いま外注先が使っているものと同じものを選んでください。引き継ぎのときに、設定ごと渡してもらえます。

外注との併走期間を設計する

切り替えの日を決めて、その日から全部を社内で、という進め方は危険です。

重なる期間を1〜3か月置いて、同じ業務を両方で見る時間を作っておきます。この期間に、設定の意図や、触ってはいけない箇所を聞いておきます。

★手順書だけをもらっても足りません。 なぜその設定にしているのかは、手順書には書かれていないからです。併走期間に直接聞くしかありません。

当日その場で思いつくと、必ず聞き漏らす

併走期間に何を聞くかは、先にリストにしておきます。

聞くことなぜ要るか
各キャンペーンを分けている理由分け方には意図がある。統合すると比較できなくなることも
触ってはいけない設定と、その理由過去に検証した結果が入っていることがある
過去に試して駄目だった施策同じことを繰り返さずに済む
数字が季節でどう動くか落ちたときに慌てずに済む
媒体側の担当者との連絡の取り方トラブル時の窓口
制作物の元データの場所バナーや動画の再編集に要る

制作物の元データは、見落とされがちです。完成したファイルだけを受け取っても、編集できません。 元データ(レイヤーが分かれたもの)を渡してもらってください。

★引き継ぎの資料は、もらうだけでなく、自分で1回動かして確かめます。手順書のとおりに操作して、詰まった箇所をその場で聞きます。読んだだけでは、抜けている前提に気づけません。

POINT

  • ツールは目的が決まってから選ぶ
  • 最初に決めるのは記録の残し方で、何を変えたか・なぜ・結果どうだったかの3つ
  • 外注との併走期間に、設定の意図を聞いておく

何ができたら「インハウス化できた」と言えるのか

最後に、完了の条件を決めておきます。実際には、条件が曖昧なまま始まる案件が目立ちます。

「担当者が育った」では判定できない

よくある完了条件が「社内で運用できるようになった」です。ただ、これは判定できません。どこまでできれば「できるようになった」のか、人によって基準が違います。

判断が社内でできるかで見る

判定の基準を1つに絞るなら、判断が社内でできているかです。

  • 予算の配分を、自社の数字を根拠に決められるか
  • 施策を止める判断を、自社で下せるか
  • 成果が落ちたとき、原因の仮説を自社で立てられるか

3つとも「実行できるか」ではなく「決められるか」を聞いています。実行は外部でも代われますが、判断は代われません。

目的別に、完了条件を書き分ける

判断ができるかどうかを軸にしたうえで、目的によって条件を足します。

目的完了と言える状態
コスト削減外注費が◯円下がり、成果が切り替え前の水準を保っている
ノウハウ蓄積記録が◯か月分溜まり、担当が代わっても引き継げる
スピード改善施策の反映が◯日以内でできている

★どれも数字で書けます。 「できるようになった」ではなく、数字にしてください。数字にできない条件は、達成したかどうかを誰も判定できません。

言い出した人に確かめた「いつまでに、何ができていればよいか」が、そのままこの表に入ります。最初に聞いておけば、埋めるのに迷いません。

期限と途中の確認点も、一緒に決める

完了条件と一緒に、期限と途中の確認点も決めておきます。

時期確認すること
3か月後引き継ぎが終わっているか。触ってはいけない箇所を把握したか
6か月後成果が切り替え前の水準に戻っているか
12か月後判断が社内でできているか。記録が溜まっているか

6か月後の項目に注意してください。切り替え直後は成果が落ちるのが普通です。落ちたことを失敗と判断して慌てて戻すと、何も残りません。落ちる前提で、いつまでに戻すかを決めておきます。

半年で判定しない

インハウス化の成果を半年で判定するのは、早すぎます。担当者が育ち、記録が溜まり、判断ができるようになるまでには、それなりの時間がかかります。

半年時点で見るのは「成果が戻ったか」まで。判断ができるようになったかどうかは、1年見てからにしてください。

早く判定しようとすると、話は数字だけに寄ります。外注費がいくら減ったか、CPAがどうなったか。そこだけを見ると、立ち上がりの途中で失敗と判定されることになります。

言い出した人と最初に完了条件を決めておくのは、この誤判定を防ぐためでもあります。「1年後に判断が社内でできていれば成功」と合意しておけば、途中の数字で揺れずに済みます。

戻せる状態を残しておく

完全に切らずに一部を残す形を勧めたのには、もう1つ理由があります。

やってみて合わなければ、戻す判断もあり得ます。そのとき、外部との関係が完全に切れていると、また一から探すことになります。

月1回の相談枠だけでも残しておけば、戻り道が確保できます。

この記事で扱わないインハウス化の話

インハウス化すべきかどうか、採用の代替、全部を一度に移す進め方は、ここでは書きません。

社内に判断できる人がいないまま実行だけを移すのは、いちばん危ない形です。その場合は、判断の相談先だけ外に置く選択肢があります。費用の目安はCMO代行の費用相場と内訳にまとめました。

まとめ:今日、1つだけ確かめてみてください

インハウス化の進め方は、どの記事もほぼ同じです。違うのは、最初のステップの主語でした。

今日聞くのは1つです。 インハウス化を言い出した人に、いちばん解決したいことを聞いてください。

残り4つは、その答えが出てからで構いません。

  • インハウス化を言い出したのは誰か。その人が目的を持っています
  • その人に、なぜやるのかを聞いたか。コスト削減とノウハウ蓄積では、やることが変わります
  • 引き換えに失う3つを共有したか。緊急時の対応先・市場と比べる物差し・現場の声
  • 移すのは判断か、実行か。判断は元から自社にあります
  • 何ができたら完了と言えるか。「運用できるようになった」では判定できません

体制づくりもツール選定も、その後で構いません。

聞きに行くのは、思っているほど大げさな話ではありません。次の定例で「優先順位をつけたいので、いちばん解決したいことを教えてください」と一度聞けば、その場で答えが返ってくることも多くあります。

返ってきた答えを、そのまま完了条件に書き写す。それだけで、半年後の食い違いを防げます。

逆に、聞かないまま進めると、進めば進むほど軌道修正が重くなります。いちばん軽いうちに、いちばん大事なことを確かめておいてください。

インハウス化のご支援についてはインハウス化の支援、外部の判断役を置く形はマーケティング支援の考え方にまとめています。

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この記事を書いた人

たけまるマーケティングディレクター

事業会社で17年、マーケティングの現場と決裁の場にいました。広告・コンテンツ・データのどれか一つではなく、売り方全体を決める側から見た話を書きます。